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2006年11月06日

天気予報の精度と数値予報

以前書いた記事(「気象予報士」で検索すると)の続きです。


現在、天気予報を行う上で欠かせないのが「数値予報」という方法です。数値予報とは、地球大気を細かな格子で区切り、その格子点の気圧、気温、風などから、コンピュータを使って将来の大気の状態を予測するというものです。


例えばサイコロを机の上に転がしたとき、サイコロの形や質量、初速度、転がす瞬間の位置、机の表面の状態などがすべてはっきりとわかっていれば、物理法則の方程式を解くことによってサイコロのどの目が出るかは予測できます。これと同じように、大気の初めの状態がわかれば、物理法則の方程式を解くことによって将来の大気の状態がわかる、というのが数値予報の基本的な考え方です。


しかし、大気はサイコロのように単純ではなく、さまざまな要因が複雑に絡み合って変化しています。そのため、数値予報でコンピュータに計算させるプログラムには、地形の影響、太陽からの放射、雲の生成や降水の効果など多くの物理法則が考慮されています(このプログラムを「数値予報モデル」といいます)。数値予報ではこの数値予報モデルを使って、大気の初めの状態からほんの少しだけ時間が経った後の状態を予測し、その予測をもとにまた少しだけ時間が経った後の状態を予測するというように、小さな予測を繰り返していくという方法がとられています。みなさんがよく目にする予報天気図などもこの方法で作られているんです。


この数値予報の開発によって、天気予報は格段に進歩しましたが、完全に当たるようになったというわけでもありません。万能に見える数値予報にもいろいろな欠点があります。例えば、数値予報では数値予報モデルで使う格子点の間隔よりも小さな現象はうまく予測できません。格子点の間に発生する竜巻や個々の積乱雲などの気象現象は予測が難しいようです。


それなら格子点の間隔を短くすればいいじゃないか、と思うかもしれませんが、なかなかそういうわけにもいきません。格子点の間隔を短くすると、予測にかかる時間は急激に増えていきます。格子点は縦、横、高さの3次元にちりばめられているので、単純に格子点の間隔が2分の1になれば予測にかかる時間は8倍、さらに今まで無視してきた物理法則も適用する必要があるので、それ以上の時間がかかってしまいます。明日の天気を予報するのに、計算が明後日までかかってしまうのでは天気予報として成り立ちませんよね。


さらに根本的な欠点である、大気のカオス性についても書こうと思ったんですが、また長くなってきたのでそれも次の機会に。


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